定期検査報告
(防火設備)


防火設備の定期検査とは

☆年に1回の検査で作動状況を確認する非常に重要な定期検査です。
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これまで防火設備の点検は、特定建築物の定期調査で行っていました。
平成25年10月に発生した福岡市の診療所での火災死亡事故や福山市のホテル火災死亡事故等をうけて、新たに「防火設備」の定期検査が新設されました。

これらの火災事故では防火設備が未設置であり、防火扉が適切に作動しなかった為に被害が拡大しました。
防火設備の維持管理を強化する目的で建築基準法の定期報告制度に新たに追加されることになりました。

防火扉や防火シャッターといった防火設備の点検は、建築基準法と消防法の間で曖昧なままで、防火設備の設置は建築基準法ですが、煙・熱感知の連動制御部分は消防法の領域であり、作動チェックはほとんど行われておりませんでした。
しかし、いざ火災事故の発生時に被害拡大防止として非常に重要な設備となります。

1.防火扉
この項目では「随時閉鎖式」のものになります。
「随時閉鎖式」とは普段は開放してあり、煙・熱感知する事によって閉鎖する防火扉になります。
よって消防点検で行うように煙・熱感知を実際に作動させ、連動を確認し、扉が閉まりきるかを検査します。
この際に「運動エネルギー」と「閉鎖力」の測定を行い、避難時に勢いよく扉が閉まり、挟まれて怪我をしない基準値にあるかも検査します。

2.防火シャッター
シャッターにはシャッターを巻き上げる為のシャッターボックスが天井裏にあります。
その部分の劣化損傷の検査も行います。
また、シャッターには降下時に挟まれて怪我をする事を防ぐ「危害防止装置」の設置が義務化されています。(平成17年12月以降の防火シャッターに装着が義務化)
この危害防止装置が作動するかも検査します。
防火シャッターは防火扉と同じく防火区画が形成されなければ意味はありません。
何よりも事故の際に正常に作動させるためにシャッターの下に物品を置かないようにお願い致します。
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3.耐火クロスクリーン
この項目では防火シャッターと同じように天井からスクリーンが降下して防火区画を形成する耐火クロスクリーンを検査します。
小さなものはエレベーター前に大きなものは病院や倉庫などに設置されています。
耐火クロスクリーンはガラスクロス製で出来ており炎と煙を遮断します。
防火シャッターと同様に煙・熱感知器と連動し閉鎖をするか、各部に損傷はないかを検査します。
クロスクリーンにも危害防止装置はついており、接触時に停止をするかの検査も行います。

4.ドレンチャー
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この項目では設置されている建物が限られている為に一般の方には馴染みの薄いドレンチャーの検査となります。
火災時に作動をすると、天井の散水ヘッドから水が噴射し「水幕」を形成する事で炎と煙を遮断します。
駅や空港等、シャッター等では閉鎖できない大きな空間のある建物に設置されています。
相当量の水量が散水され、スケジュール調整、復旧作業等、建物管理者と綿密な打ち合わせが必要で専門のメンテナンス会社やメーカー技術者立ち会いのもと検査を実施する為に大掛かりな検査となります。